友だち登録3,400人頭打ちを打開、トヨタカローラ長崎はLINE活用でお客様の利便性向上とスタッフの業務改善を図る
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「2022年、LINE活用には腰を据えて取り組んでいく」「ツールを使うことで、人間らしさをアピールする。デジタル化っていうのはそんなことなんだろう。」そう語るのは、トヨタカローラ長崎を経営する代表取締役社長の藤岡さんと経営企画グループ長の小川さんです。長崎県内で11店舗を運営する同社が、なぜ今LINE活用に取り組むのか、デジタル推進をする上で重要な社内浸透についてお話を伺いました。
世間のマナーが変わりつつある今、効率化や苦手を克服するための道具としてデジタルを推進する
本日は、お忙しい中ありがとうございます。冒頭、自己紹介で経営企画グループのミッションに「業務のデジタル化」が含まれるとのことでしたが、どんなことをされているのですか?
小川さん:前提として、「進化」をしなければいけない時期に来ているという意識があります。ウェブサイトやLINE公式アカウントの運用などマーケティング施策におけるデジタル活用はもちろん、スタッフの業務においてもデジタルを活用しながら負荷を軽減し、かつ成果を出せる仕組みをつくらねばという思いで業務をしています。
営業活動で言えば、これまで電話とハガキDMしか手段がなかったところに新たな戦略を実行できないかといったところですね。
店長時代に、若いスタッフが電話に対して苦手意識を持っていることがありました。すれ違いも起こりますし、コミュニケーションの齟齬が生じるとお叱りを受けることもある。LINEで事前にアポを取ってから、お客様に電話をかけているスタッフもいました。これまでは電話が当たり前でしたが、スマートフォンやSNS、LINEの普及もあり世間のマナーは大きく変わっていると認識しています。
デジタル化は、時代にマッチするとか単に新しいものなのではなく、それを活用して仕事の効率を上げる、苦手を克服するための道具に使ってもらいたいと思っています。
LINE運用でぶつかる壁、友だち獲得の伸びと一方的なコミュニケーション
すでに、お客様とのやり取りでLINEを活用されているスタッフもいるとのことですがLINE公式アカウントとの棲み分けはどのようにされていたのでしょうか?
小川さん:LINE公式アカウントは、約2年前から構想を開始しました。まずは2店舗で運用をスタート、全店舗へ展開し約1年が経っています。まずは、友だちの数を増やす必要があったため、店舗案内はもちろんキャンペーンを複数実施しました。近隣住民向けにチラシを配布したり、クーポン施策をやってみたり、どちらかというとアナログ戦法で数を増やしていきました。具体的にターゲットも設定し、30代のファミリー層を中心に友だちになってもらい、彼らに響く内容もプッシュ配信を送っていました。一通りの施策を終え、友だち数は3,400で頭打ち、一方的な情報発信になっているなと課題を感じていた時にジールスのサービスを知ったんです。
藤岡さん:ジールスさんから手書きの手紙が私宛に届きました。デジタルの最新サービスを売る企業から手書きの手紙が送られて来たので、思わず開封しましたね。弊社でも、私がお車を購入いただいたお客様へ送るお礼状に一筆書きを入れています。かれこれ10数年は続けていますが、手書きで一筆入れさせていただくのは「商談プロセスメモ」というメモを営業スタッフが提出してくれた方が対象です。メモは、お客様とのエピソードなど簡単なものですが、スタッフも多忙を極めているため、義務付けてはいません。
手紙を読んで、入庫予約がLINEででき、スタッフの業務改善につながると書いてあったため「どう思う?」と小川さんに相談しました。
小川さん:当時、店舗の店長から経営企画グループ長に異動したばかりの頃だったので、LINEマーケティングに関しては知見があり、サービス概要を確認しました。
・LINEにおける課題がこのシステムで解決でき、LINEの重要性がさらに増す
・CR(カスタマー・リテンション)活動に営業スタッフが参画できるのは面白い
・退職時の引き継ぎが楽になる
・今のスタッフ数で2倍のお客様と接点を持てる
言い出すときりがないですが、いろんな想像が膨らんだんです。一旦、社長には「導入したい方向性でいる」と伝え、持ち帰り検討しました。
トップダウンではなく、価値の共感と効果実感がデジタル推進における鍵
サービス概要をみて、導入イメージを持っていただけて嬉しいです。逆に、懸念点などはありませんでしたか?
藤岡さん:一つあったとすれば、運用体制ですかね。入庫予約の確定に人の作業が発生するのは一つ懸念でした。しかし、経営企画グループに小川さんも入ってきたところだったので「やってみよう!」という感じで進めてもらいました。
小川さん:運用体制については、お客様から入庫予約が入って、その情報をリスト化する所まで経営企画グループがやります。その後の対応についてはサービスグループが3名体制でしています。いずれも兼任ですが、今後は本部内に店舗サポートを行うグループを新設する計画です。運用体制において大切なことは、負荷を軽減すること。「仕事が増えた」と思われるのではなく、お客様がマイカー登録をしてLINE活用が促進されると「仕事が楽になった」という効果実感を得てもらいたいと思っています。
効果実感は、デジタル化を推進する上で何よりも大切だと私たちも考えています。このサービスを入れる上での現場スタッフへの浸透や働き方にどのような影響があるのか教えてください。
藤岡さん:新しいことを始める上で、従来型のスタイルからの変更になるため現場の方が保守的になる側面もあります。現場に浸透するかは、本部側の動き次第!上から下に押し付けるようなやり方は、例え自分が経験したことがあったとしても良くないと思っています(笑)。サービスを導入することで生まれるメリット、活用イメージや共感が大切。ジールスさんも一緒に現場スタッフへ伝えていって欲しいと思っています。
小川さん:ジールスさんには、全店舗を回って運用説明会をしていただきました。浸透には少し時間を要すと思いますが、ジールスのサービスが定着すれば、自動で入庫案内が送られ、お客様は好きな時に入庫予約ができる。負荷をかけずに実績を上げられる。新しく生まれた時間で人にしかできない接客を行う、と行った正のループが周りだすと思うんです。
現場のスタッフは、日々業務や目標に追われると振り返りになかなか時間を当てることができていません。デジタルで全ては完結しない、スタッフが自宅を訪ねたり、電話をしたりすることが大事という話もありますが、それ自体を僕も否定しているわけではなく、デジタル活用することで必要なアプローチをする時間をつくる。大切なのは、お客様に最適なコミュニケーション方法を提示していくことだと考えています。
他社さんでの導入も進んでいると思うので、いろいろと教えていただきながら今後も併走していただけると嬉しいです。
お客様が本当に良いと思うサービスを提供するために、他社との協業で価値を最大化
もちろんです。新機能などの開発も含めて、ご一緒できると嬉しいです。最後に、今後どのような展望をお聞かせください。
小川さん:まずは、入庫予約サービスを成功させ、お客様の利便性向上とスタッフの業務改善を図るのが第一ですが、LINE導入のメリットとして広告費が削減できるとも考えています。現在、毎月約5,000通のハガキDMを発送しているのですが、ハガキ代と印刷代だけでも約100万円のコストが発生しています。今後LINEから入庫予約していただいたお客様に対し、入庫案内のハガキを送らない意思決定をできればコストは下げられると考えます。キャンペーンやイベント告知に関しても同様です。LINEで登録いただいたマイカー情報を元に、新しいアプローチもできるので広告・マーケティング予算の配分も、これから変わっていくのではないかと想像しています。
藤岡さん:各販売店は、独自性を出し競争優位をつくっていかなければいけないフェーズにきています。競争優位をつくっていく上では、他社との協業も必要。一緒に取り組む企業を選ぶ上でのポイントは、サービス機能だけでなく、人と人の信頼関係が何より大事です。ジールスには、まずギフト(手紙)で心を掴まれ、その後もしっかりサポートしていただいているので「良い」と判断しています。我々も、LINEの入庫予約に腰を据えて取り組んでいきたいと思っています。やるからには、お客様にも浸透させる。今後は、入庫予約以外にも試乗予約や買い替えの提案など新しいサービス提供も期待しています。僕も、年始のブログでサービスについて触れたし、導入実績に関心を持っている他の販売店さんもいらっしゃるのでぜひよろしくお願いします。
ブログでも触れていただき、ありがとうございます!
一丸となって、サービスの浸透と新機能開発に注力してまいります。本日は、貴重なお時間を頂戴し誠にありがとうございました。