チャットコマース(会話型コマース)とは?ECの最新トレンドを事例を交えて解説
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今や私たちの生活のになくてはならなくなった、LINEやFacebook Messengerなどのチャットサービス。そんなチャットサービスをEC領域に活用する「チャットコマース」が、今年注目すべきマーケティングのキーワードとして日本流通経済新聞などで取り上げられるなど、業界的に注目を集めています。
出典:日本流通産業新聞2019年1月1日出版
とはいえ、まだ国内でも実際に導入している事例も少なくチャットコマースに対して明確なイメージを持てていない方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、
①チャットコマースとは何か
②なぜチャットコマースが注目されているのか
以上の2点について解説します。最後にチャットコマースを実際に活用して成功した事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
チャットコマースとは
「チャットコマース」(海外ではConversational Commerce……通称“CC”と呼ばれている)とは、
LINEやFacebook Messengerなどのチャットアプリのインターフェースを通じて企業やサービスと消費者がAIと「対話」しながら、食料品の注文、飲食店の予約、旅行の予約、衣服の購入などができるサービスを指します。
つまり、これまではリアル店舗でしかできなかった「接客体験」をWeb上で実現する技術です。
接客とチャットボットを組み合わせることで、多くのユーザーに効率的に対応し、ブランドやサービスへのエンゲージメントや売上を上げることができるため、海外では “ECに変わるCC” として注目が集まっています。
チャットコマースがなぜ注目を集めているのか
それではなぜチャットコマースが注目を集めつつあるのでしょうか。ここではチャットコマースが注目されている理由をご紹介します。
理由①:チャットコミュニケーションが当たり前の時代になった
国内ではLINEの月間アクティブユーザーは8000万人以上(2019年4月時点)、
世界でもWhatsAppの月間アクティブユーザーが15億人を突破するなどメッセージングアプリでのチャットコミュニケーションは今や当たり前になりつつあります。その背景には、近年のメッセージングアプリにおけるユーザー数の増加が挙げられます。
出典:https://www.businessinsider.com/the-messaging-app-report-2015-11
2017年にはメッセージングアプリのユーザー数がSNSのアクティブユーザー数を追い抜き、
今やもっともユーザーがアクティブに活動している場となっています。
世界では今、WeChat、Facebook Messenger、WhatsApp、LINE、iMessage、Viberをはじめとした数多くのメッセージングアプリが存在しています。
そんな圧倒的なアクティブユーザーを抱えているプラットフォームをビジネスで活用しない手はありません。
上位4つのメッセージングアプリの合計月間アクティブユーザー(MAU)数は2018年に41億人にまで増加し、合わせてこれらのインターフェイスを通じてビジネスを行う企業も増えてきました。
コミュニケーションがチャットに移行してきたことで、従来のメールや電話は、コミュニケーション手段としては敷居が高いものになってしまいました。だからこそ、ユーザーの心理的ハードルを下げるために、日常的に使っているフォームを用いるチャットコマースが注目されだしているのです。
また、日常的に使用しているアカウントと接点を持てるので、継続的にエンゲージメントを高めやすいのもメリットの一つです。ユーザーが普段から使用しているアカウントですから、メールなどの手段とは異なり、ブロックされない限り、ユーザーに対して半永久的にメッセージを送ることが可能になり、長期的なコミュニケーションを取り続けることが出来るのも、チャットコマースが注目されているポイントです。
理由②:ECでも実店舗と同じ会話を楽しめるようになるから
そもそも元来の商取引は実際の店舗にて店員との会話を楽しみながら行うものでした。
接客の際には、世間話などで顧客と仲良くなり自店舗のお得意様になってもらう、そんなお得意様におまけをするなど、
顧客との関係値が重視されていたのです。
それが大量消費のマスマーケティング全盛期には、同一の規格のものをローコストで大量生産し販売していたので、顧客の体験は画一化されたものになっていきました。
そんな画一化された商品に飽きた顧客に対して、One to Oneマーケティングが叫ばれるようになりました。
近年はIT技術の発展の助けもあり、顧客一人ひとりに対して最適な体験を提供していこうという流れが復興してきましたが、
これまでは購入履歴に基づいたレコメンドやWeb接客サービスなどあくまで間接的なアクションしかできませんでした。
しかしながら、スマートフォンの普及によるチャットサービスのインフラ化、AI(人工知能)技術の進歩によるチャットボットサービスの発展によって、オンラインでもかつてのような会話形態での買い物が楽しめるようになってきたのです。
理由③:従来型のLPでは個々のニーズを刈り取りきれない
チャットコマースが注目されている理由の一つに、従来型のLPが限界を迎えているという点が挙げられます。
これまでの検索からの流入層がメインであった時代は、LPの対象は自ら検索して到達するユーザーでした。能動的に検索というアクションを行うニーズが顕在化したユーザー相手だったので、LPは効果的に機能していたと言えます。
しかしながら、TwitterやFacebookなどのSNSやキュレーションメディア等の規模が拡大し、フィード広告が大きな力を持つようになってきた現在において、流入チャネルは検索だけではなく多様なものとなりました。
そういった広告等から遷移してくるユーザーは、ニーズが顕在化していないため、従来のLPが刺さらなくなってきているのです。だからこそ、流入してきたユーザーとコミュニケーションを取りながらそれぞれのニーズに対し、最適な提案をすることができるチャットコマースは大きな効果を発揮できます。
流入チャネルが多様化し、流入するユーザーのニーズも様々なものになってきたという課題に対するソリューションとしてチャットコマースは大きな注目を集めています。
CPA257%改善!株式会社バルクオムの事例
実際にチャットコマースを利用して、国内で大きな成果を挙げた株式会社バルクオムの事例を紹介します。(敬称略)
バルクオムはメンズスキンケア (洗顔料、化粧水、乳液)の製品企画・販売を行っているD2C形態のメンズコスメブランドです。
ジールス導入以前までインフィード広告、とりわけLINE広告のパフォーマンスに対して課題を感じていたバルクオム。LINE広告のポテンシャル自体は評価していただけにパフォーマンスを改善したいと考えていた時にジールスと出会い、導入を決めました。
実際に導入後は初月からCPAが275%改善、WebLP比でCVRが250%以上改善するなど大きな成果が出ています。これだけの成果が出た要因としてバルクオム代表取締役野口卓也氏は、
①チャットボットがヒアリングすることで、ユーザーが「自分ごと化」できていること
②チャットボットのパーソナライズされたPush配信からCVが獲得できていること
③チャットボットがインフィード広告から流入するニーズの浅いユーザー層に適していること
の3つを挙げています。実際にチャットでのヒアリングによってそれぞれのニーズごとに対応することで大きな成果が出た、チャットコマースの利点が大きく出た事例と言えますね。
株式会社バルクオムの事例について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
【CPA 257%改善】ユーザーを“自分ごと化”するバルクオムが掴んだ成功の内幕。
チャットコマースはECのトレンドになっていく
顧客一人ひとりのニーズに対応可能なチャットコマースは、EC領域において今後トレンドになっていきます。
LINEやMessengerでのコミュニケーションが当たり前になった時代において、企業はメッセージングアプリを用いて顧客とコミュニケーションを密にとってそれぞれのニーズに応えていかなければなりません。
チャットコマースZeals(ジールス)は、サードパーティー製品で初のLINE Pay決済機能と連携しており、チャット上での広告から決済まで一気通貫で対応可能です。
また、広告流入後にニーズの顕在化した一部ユーザーのみに向けられたLPの提案ではなく、チャットボットがヒアリングを行うことで、様々なニーズを持つユーザーに対して高いパフォーマンスを発揮してくれます。
もちろんチャットボットは全自動で対応してくれるため、リソースが割かれることはありません。また、LINEやMessengerにて友だち登録してくれたユーザーに対してはブロックされない限り半永久的に再度Pushを行うことができます。
Push通知も自動的にパーソナライズされたメッセージが送れるので、離脱防止にも大きな効果を発揮してくれます。
本記事を読んでチャットコマースについて気になった方は、一度無料の資料請求をオススメしております。