CDからPMへキャリアチェンジ_100億分の1の人材になるためのキャリア
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森 美沙希(もりみ)
大阪大学法学部卒業。新卒で不動産系の会社に入社し、不動産管理や営業を2年間行う傍ら、プライベートな活動として100名以上の学生/若手社会人向けにビジネス講座を行う。2018年5月にジールスにジョインし、入社後はコミュニケーションデザイナー、リーダー、マネージャーを経験し、現在はプロダクトマネージャーを務める。初代Cross Border ZealersとしてUS事業の立ち上げのサポートも実行。
あだ名の由来:本名の「もりみさき」の上から3文字を取って「もりみ」
Contents
2年目で現在のビジネスモデルの礎作った経験をした印象
–中途入社でコミュニケーションデザイナー(以下、CD)を始められました。最初はどのようなことをされていたのですか。
入社当初はFacebookの広告運用のモデルが中心だったので人材業界のクライアントを中心に、広告運用やその先の会話設計に携わっていました。数ヶ月後には2人のメンバーのマネージャーとなり、自分でもプレイングマネージャーとしてクライアント対応をしながら、チームとしての目標達成にも責任を持ちました。その後、LINEのMessaging APIが公開され、LINEでも会話設計ができるようになり、コスメ業界やエステ業界向けに広告運用と会話設計も行うようになりました。
今の事業の中心となるビジネスモデルができはじめた2年目では、若手メンバーを中心としたチームで事業拡大(グロース)に向けた施策を行っていました。振り返ると、この時は本当に「スピードと成長」が鍵でした。いかに早くローンチとグロースができるかを必死に向き合ってきた1年だったと思います。
3年目では、コスメ局の局長に就任させていただきまして、メンバー数人をもちながら、コスメ系のお客さんを中心にローンチや既存事業のグロースを行っていました。
–日本では珍しいCDというキャリアを試行錯誤しながら歩まれたという印象ですね。マネージャーにも昇格し、まさにCDを極めたのではないでしょうか
CDを極められていたのかはわかりませんが(笑)、CDの中でもマネジメントとスペシャリストの方向性があり、どちらの方向性も経験できたと思っています。
マネジメントとしては、事業計画立案と実行、メンバーの採用や育成などに携わりました。マネジメントしていく中で意識していたことは「再現性」です。CDの仕事は日本では珍しく、調べても成功事例がでてこないような領域です。
ビジネス性を創造するには、成功させるだけではなく、うまくいったことをどう小さな労力で再現できるかが必要だと思います。うまくいくまで行動し、うまくいったら再現性を考えて高速で実行している状態がCDのマネジメントを極めた1つの状態だと思っています。
スペシャリストとしては、広告運用やその先の会話設計をコスメ、サロン、人材など幅広い業界で経験できました。個人的にはコミュニケーションデザインの肝は「企画」だと考えています。エンドユーザー目線で思考し、「顧客や顕在顧客がもつ課題は何か」、「何を訴求すればいいのか」ということを、実際にユーザーにヒアリングしたりお店に行ったりして徹底的に考えていました。エンドユーザーの解像度が誰よりも高い状態がCDを極めている1つの状態なのかなと思います。
CDの解像度が高いからこそ、多くのユーザーに使われるプロダクトの開発を目指す
–CDを経験されたのちに、現在はプロダクトマネージャーのキャリアを歩まれていますね。その経緯を教えてください。
プロダクトマネージャー(以下、PM)になる前までは、コスメ事業部にてCDのマネージャーをしていました。この業界により深く入っていく中で、今以上にエンドユーザーやクライアントに対して価値を提供するためにはプロダクトのアップデートが必須だと考えたのです。
会社としてもプロダクトをさらによくしていきたいという思いがあり、その年の12月に社長のマサさんやCOOのえんさん、開発チームのコアメンバーと、CDの理解があるメンバーとして1ヶ月の長期合宿を行いました。その中で、経営として考えているプロダクトやビジネスの方向性を話し合い、そのうえでプロダクトを新しくしていくことが必要であるとの結論に至ったのです。
新しくプロダクトを開発するにあたり、現状のCDの会話設計やオペレーションが分かっている人がいないと、汗をかいて作ったプロダクトが多くのユーザーに使われなくなると懸念しました。CDの解像度が高い人がいたほうがいいだろうなと思い、キャリアチェンジすることに至りました。
私自身、「どこであろうが必要とされるところで期待以上の成果を出したい」という思いが強く、もともとPMのキャリアを考えていたわけではないのですが、今の会社にとって必要だからキャリアチェンジをしたという形になります。
–新しいロールへの挑戦では、CDとはまた違う大変さもあると思います。CDとしての知見がいかせている部分、また逆に新しく習得しなければならなかったスキルなどはありますか
CDがどのように会話設計をしているのか、それはなぜか、という部分においては誰よりも高い解像度があると思うので、その知識を生かし、ビジネスと開発チームを繋げることができていると思っています。
新しく習得したスキルに関しては、私自身、開発に関してはほぼ無知の状態でスタートしているので、どうやって開発が進むのかといったプロセスの部分や、プロダクトデザインや要件定義の方法、また、基本的に会議は英語なので英語力も若干あがったと思いますね(笑)。
5つ専門性を持つことで世界に1人しかいない人材を目指す
–ユニークなキャリアを歩まれています。今後目指していくキャリア像はありますか?
個人的には、ZEALSの「日本と世界をぶち上げる」というビジョンが好きで、それが高じて「日本と世界をぶち上げる会社の人ってどういう人なんだろう?」と考えたことがあります。そして、結論としては「世界に1人しかいないような人材」がたくさん集まってる会社だったらぶち上げられそうかなという結論に至りました。
では、「世界に1人しかいない人材とは何か」を熟考すると、元リクルートの藤原和博さんの「3つの専門性をもつことで100万分の1の人材になる」いう理論が参考になりました。この理論を素直に受け取ると、5つ専門性があると100億分の1の人材になり、だいたい世界人口の80億に近しい数字になるので、世界に1人しかいない人材になれると思います。そのため、専門性が5つ欲しいなと思っています。
今は、「コミュニケーションデザイン」、「プロダクトマネジメント」、「事業/組織マネジメント」といった3つは専門性として持っているかなと思うので、あと2つ何かしらの専門性を見つけたい。できれば、「AI」とか「プロンプトエンジニアリング」の専門性を育み、どこでも成果をだせる人材になりたいなと思っています。
この4月には、会社のアメリカでの研修プログラムに約2ヶ月間にわたり参加させていただきました(Cross Border Zealers)。アメリカはまだ黎明期で、現在のプロダクトの操作方法から、複雑な要望に対するカスタマイズの方法まで、システム導入のノウハウを共有しました。また日本とアメリカでは市場規模やお客様のニーズが異なるために、日本での顧客から得たインサイトを共有し、アメリカ市場向けに製品をどう調整するかについても議論しました。アメリカでも3rdパーティクッキー規制の影響もあり、個人データの取り扱いに高い関心があり、大規模な市場の顧客に向けてプロダクトを進化させるためのヒントを得たのは貴重な経験でした。
–ZEALSはビジョンを「日本と世界をぶちあげる」と掲げています。仕事を通じて、このビジョンを体現しているというところは、どんなところだと思いますか
日本と世界をぶち上げるうえで、1人では成しえないことを皆と力を合わせて成しえるということが大事かなと思うのです。言語や役割を超えて成し遂げることに全力を注いでいる点は体現しているポイントかなと思います。Zealsの開発チームには海外メンバーがいたり、USでも事業をしているのでUSのメンバーもいたりします。プロダクトの連携の上で、様々な方とやり取りをして物事を進めている点は体現しているところかなと思います。