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ボイスコマースの最前線|Amazonから中国ECまで、世界の成功事例まとめ

Written by | 2025/06/10

はじめに

音声による買い物体験が世界各地で急速に広がっています。スマートフォンを手に取らず、まるで友人と会話するように商品を注文できる――これがボイスコマースの魅力です。

特に、Amazonのスマートスピーカー「Alexa」や中国のライブコマースプラットフォームでは、従来のネットショッピングとは一線を画した新しい購買体験が生まれています。今回は、世界の最前線で活躍するボイスコマースの成功事例を詳しく解説し、接客AIエージェントが切り開く新たな可能性についても触れていきます。

ボイスコマースとは何か

ボイスコマースとは、音声を使ってオンラインで商品やサービスを購入する販売形式のことです。声紋認証技術を活用し、従来のマウスやキーボード操作を必要とせず、話しかけるだけで商品の検索から決済まで完了できます。

ボイスコマース市場は年々拡大しており、2022年のアメリカとイギリスのボイスコマースによる消費額を合算すると、2017年比で約22倍にも到達するとのデータもあり、今後さらなる成長が期待される分野となっています。

Amazonのボイスコマース戦略

AlexaとAmazon Payの連携による革新

Amazon Alexaは、クラウドベースの音声サービスで、ユーザーがAlexaに話しかけることで反応し、Amazonの欲しいものリストへの商品追加、商品の追加購入や配送状況の確認ができます。この技術により、スマートフォンやパソコンなどの端末に触れることなく、声だけで商品の購入が可能になりました。

さらに重要なのは、Amazon PayとAlexaを組み合わせることで、昨年10月からAmazon以外の外部企業でも注文から決済まで音声で通販が完結できる形、いわゆるボイスコマースが可能な環境となった点です。これにより、多くの企業がボイスコマースを導入できるようになりました。

日本での具体的な成功事例

日本では、いくつかの企業が早期にボイスコマースを導入し、顧客体験の向上を実現しています。

メガネスーパーの取り組み メガネスーパーは、Amazon Payに登録してAmazon Payでコンタクトレンズやケア用品などを購入したユーザーに向けたボイスコマースの仕組みを提供しています。具体的には、Amazon Alexa搭載デバイスを使うことで、前回注文した商品を音声だけで注文できるというサービスです。

JTBのレジャーチケット販売 JTBは、遊園地や水族館などの日本にある約2,000ものレジャー施設のチケットをハンズフリーで検索できる「JTBおでかけチケット」と呼ばれるサービスを提供しています。音声と画面のタッチ操作を組み合わせたインターフェースで、誰でも簡単に操作できるようになっているのが特長です。

中国市場のライブコマース革命

アリババが牽引する巨大市場

中国では、ライブコマースという形でボイスと動画を組み合わせた新しい購買体験が急成長しています。2020年には9610億元(約19兆2200億円)、翌年の2021年には1兆2012億元(約24兆240億円)に急拡大し、2025年には2兆1373億元(約42兆円)の市場規模となることが予想されています。

2019年のダブルイレブン(独身の日)における「Taobao live」の取引総額は200億元(約3140億円)を記録し、その後も成長を続けています。

技術革新による体験の向上

アリババのライブコマースプラットフォームでは、「ライブ配信+AI自動翻訳」機能があり、この機能はライブストリーミング環境における音声の聞きづらさを軽減したり、なまりのある音声も認識可能となっています。これにより、世界中の顧客とのコミュニケーションが可能になり、越境ECでの活用も拡大しています。

成功の要因

中国のライブコマースが成功している理由として、以下の点が挙げられます。

臨場感のあるコミュニケーション:視聴者はチャット画面を通じてライバーとリアルタイムでコミュニケーションが取れるため、商品に対する不明点をその場で解消することもできる

価格面でのメリット:「商品のコストパフォーマンスが良い」(59.6%)、「価格が安い」(53.9%)、「タイムセールや限定セルがある」(43.8%)など、価格に関する回答が目立つ

商品の理解しやすさ:ライブコマースで衣類を販売する場合、ライバーが実際に着用してくれるので色やサイズ感がわかりやすいという利点があります

接客AIエージェントが切り開く新時代

日本における接客AIの進化

日本では、ボイスコマースとともに接客AIエージェントが注目を集めています。日本における「企業のアンバサダーとして顧客対応をAgent化」については、37万を超える企業や店舗が活用しているLINE上での活用が広がると予想されています。

ZEALS AI Agentの実例

日本では、すでに大手企業が接客AIエージェントを導入し、成果を上げています。

青山商事の取り組み

青山商事は「ZEALS AI Agent」の導入を決定し、同社の豊富な接客ノウハウと専門知識を学習し、LINE公式アカウント上で質の高い接客対応を実現します。特に、フレッシャーズや就活生など、スーツ選びに不慣れな顧客層に対して、24時間365日、一人ひとりの質問や疑問に合わせたアドバイスを提供することが可能となっています。

■Dr.つるかめキッチンでの導入

株式会社クロスエッジ運営の「Dr.つるかめキッチン」への導入により、LINE上で提供される本AIエージェントは、パーソナライズされた顧客対応で顧客体験の向上とビジネス成長を目指す取り組みが始まっています。

ボイスコマースの課題と今後の展望

現在の課題

ボイスコマースには多くの可能性がある一方で、いくつかの課題も存在します。

利用開始のハードル:これまで日常的に店舗に行って商品を購入していた高齢者が、ボイスコマースを利用するためには、まず注文のやり方を覚えてもらわなければなりません

技術的な制約:音声認識の精度向上や、複雑な商品選択への対応など、技術面での改善が求められています

今後の展望

しかし、これらの課題を上回る可能性が期待されています。接客体験に特化したAIエージェント「接客AIエージェント」を作り管理できるプラットフォームに進化することで、より自然で効果的な顧客対応が可能になります。

特に日本では、深刻な人手不足に陥っている接客サービス業界を支援し、日本が誇るおもてなし文化を世界中に届けていきたいという展望が示されており、ボイスコマースと接客AIエージェントの融合により、新たな顧客体験が創造されると期待されています。

まとめ

ボイスコマースは、Amazonのスマートスピーカーから中国のライブコマースまで、世界各地で急速に発展している分野です。音声による直感的な操作と、リアルタイムでのコミュニケーションが可能な点が、従来のECサイトにはない新しい価値を提供しています。

特に注目すべきは、単なる音声注文システムではなく、接客AIエージェントと組み合わせることで実現される、パーソナライズされた顧客体験です。すでに日本の大手企業でも導入が進んでおり、24時間365日の高品質な接客サービスが現実のものとなっています。

今後、AI技術の進歩と共に、より自然で効果的なボイスコマース体験が提供されることで、私たちの買い物の仕方は大きく変わっていくでしょう。企業にとっては、この変化を捉えて新しい顧客接点を構築することが、競争優位性を築く重要な要素となります。

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